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量子センシングとは何か、その将来の技術に与える影響


量子技術において、コンピュータより先に商用化が進むと言われているセンシング。量子センシングは、原子や分子の構造の複雑さから磁場の最も微妙な変化といったこれまで測定できなかったものを測定できます。量子センシングにより、現実の隠された次元を覗き見ることができるのです。


その現状と今後与えていくだろう影響が「INTELLIGENT LIVING」誌に分かりやすくコラム掲載されていました。ポイントと概略を紹介します。

INTELLIGENT LIVING



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量子センシング技術


・原子センサー

 原子の特性を利用して、驚異的な測定精度を実現。たとえば原子の振動に依存して比類のない精度で時間を計る原子時計や、原子レベルで磁場を検出する原子磁力計などが挙げられます

 

・量子ドット、半導体ナノ結晶

量子ドットセンサーに採用されており、生物学的イメージング、環境モニタリング、さらには DNA 検出用のマーカーなど応用も広がっています。

量子センシングの応用


・医療における量子センシング

医用画像処理、診断、モニタリングにおいて前例のない機能を提供します。たとえば、磁気共鳴画像法 (MRI) は、非常に鮮明な内部構造の詳細な画像を作成し、脳活動の理解を進め、バイオマーカーのより正確な検出を可能にし、病気の早期診断に進歩を促しています。


・物理学における量子センシング

素粒子物理学の分野では、量子センサーは宇宙の最小構成要素を探索するために不可欠なツールで、粒子の特性の測定、量子のもつれの研究に役立ち、暗黒物質と暗黒エネルギーの謎を解明しようとする実験に貢献します。


・地球観測のための量子センシング

気候変動の監視から生態系の研究まで、量子センサーは環境科学において活躍。重力変動、磁場、大気組成などのパラメーターの測定精度が向上し、地球の複雑なシステムのより深い理解に貢献し、環境保全のためのより効果的な戦略を立てることができます。


・量子通信における量子センシング

量子鍵配布 (QKD) は、量子特性を利用して解読不可能な暗号キーを作成します。通信中に量子状態を傍受または測定しようとするとシステムが変更され、盗聴の可能性をユーザーに警告。つまり量子センシングは、安全でプライベートな通信チャネルの守護者となります。


量子センシングの未来


量子センシングの時代が到来すれば、比類ない精度と正確さの時代が到来し、私たちはこれまで手の届かなかった微細な複雑さを理解できるようになります。従来の限界を超え、目に見えない世界の謎を解き明かし、感覚的理解と経験的探求のフロンティアを再定義するでしょう。


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このコラムではその他、現状の課題などもまとめられています。興味のある方はぜひ本編を翻訳して読んでみてください。


h.hayashi


 
 
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