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東京大学、ICO(indefinite causal order:不定因果順序)による量子電池を発表


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[ 量子電池の充電デモンストレーション。家庭で見かける単三電池よりも大きいが、量子電池として機能する実験装置はスマートフォンの電池を改善する可能性のある充電特性を実証。©2023 Zhu et al. CC-BY-ND ]



研究者らは、量子スケールの力学を利用して、いわゆる「量子電池」の性能を向上させてきた。今回、東京大学主導の研究者らは初めて、不定因果順序 (ICO) で量子電池を充電するというさらなる一歩を踏み出した。


一般的に因果関係は時間の道筋をたどる。「Aという原因があり、Bという結果になる」が、量子スケールではこの因果関係が、「A→B」と「B→A」が重ね合わせにより同時に起こる可能性がある。


この論文では、2つの因果の経路から同時に充電することに成功したと報告している。


「ICO により、量子粒子で構成されたバッテリーの充電方法がバッテリーの性能に大幅な影響を与える可能性があることを実証しました」と大学院生のYuanbo Chen氏は述べた。


研究チームは、非ユニタリーダイナミクスベースの充電プロトコルを提案し、光量子スイッチを使用してこれを実験的に調査。ICOプロトコルが従来のプロトコルよりも優れたパフォーマンスを発揮し、異常な逆相互作用効果を引き起こす可能性があることを発見した。これにより「システムに蓄えられるエネルギーと熱効率の両方に大きな向上」が見られた。


この研究により、一部の低電力用途では従来の化学電池の有用性を超える可能性があり、新世代の低電力デバイスや、他にソーラーパネルなどのパフォーマンスを向上させることに繋がっていく。


詳細は東京大学によるプレスリリースを参照。




 
 
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